粗面小胞体 のバックアップ(No.3)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
粗面小胞体とは、細胞小器官のひとつで、小胞体の一種。小胞体は細胞質にあり、ひらべったい袋状の構造をしている。このうち、電子顕微鏡でみるとその表面がつぶつぶして見えるのが、この粗面小胞体。小胞体表面のつぶつぶはリボソーム。リボソームがなく、表面がつるりとしているのが滑面小胞体。
用語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 粗面小胞体 | そめんしょうほうたい |
英語 | rough-surfaced endoplasmic reticulum | ラフ・サーフェスト・エンドプラズミック・レティキュラム | |
granular endoplasmic reticulum | グラニュラー・エンドプラズミック・レティキュラム | ||
略語 | rER | アール・イー・アール | |
rough ER | ラフ・イー・アール |
リボソームではメッセンジャーRNA(mRNA)から新しい蛋白質(ペプチド)が作られるが、粗面小胞体のリボソームでつくられた蛋白質は細胞外に分泌されるか細胞膜などに埋め込まれる蛋白質である。
粗面小胞体は電子顕微鏡でないと見えないが、ふつうの光学顕微鏡では粗面小胞体が多い場所が他と違って見える場合がある。たとえば、神経細胞などでニッスル小体(ニッスル物質)と呼ばれる細胞質内の構造は粗面小胞体が集まっている場所。また、分泌細胞などでエルガストプラズマというのも同様。
カテゴリー: 一般構造 | 微細構造 | 細胞内構造