胸膜 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
胸膜とは、胸の内臓の表面を覆う膜で、実際には、左右の肺の表面にある膜。
腹膜は腹腔にある内臓の表面を覆うひとつづきの膜で、全体がつながっているのに対し、胸膜は左の肺を覆う部分と右の肺を覆う部分とがつながっていない。また、心臓を覆う膜は心膜で、これともつながっていない。
肺の表面をつつむ胸膜は、肺全体をすべてぴったりと覆うと、肺に血管や気管支が出入りする箇所(肺門)のところで折り返され、肺が入っている空洞である胸腔の内側をすっぽり覆う。つまり肺全体が、二重の胸膜で覆われる。肺にぴったりくっついているほうを臓側胸膜、胸腔の内側に張り付いているほうを壁側胸膜という。この構造は心膜、腹膜でも同じである。
胸膜は、単層扁平上皮の形をしている中皮細胞と、うすい結合組織でできている。