『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 とは、体内にある空気の袋のような器官で、血液に溶けこんだ空気を入れ換える(=ガス交換)働きがある。胸部に左右1対ある。肺は呼吸器に分類される器官で、空気が体内を肺まで送られるときの通り道の器官(=気道)とあわせて、呼吸器系という。

言語表記発音、読み方
日本語医学はい
英語lungング
ラテン語pulmo(英語読み)ルモゥ
(ラテン語読み)プルモ
英語形容pulmonaryルモネァリ

 肺の内部は、肺胞という無数の小部屋に分けられる。ガス交換は主に肺胞で行われる。肺胞に空気が届く時に通る道が肺に入った気管支から枝分かれする。これは、1つの肺を大木に例えると、無数の葉が肺胞で、大木の幹から枝のように気管支がつながるイメージ。動脈静脈も気管支同様に枝分かれして、肺胞の非常に薄い壁をとおる毛細血管になる。

肺の構造

 肺のある場所は胸腔といい、肋骨などによってつくられる胸郭に囲まれる。胸腔の中央部が、心臓血管が通る縦隔で、その左右に肺がある。肺に出入りする太い管は、気管支肺動脈肺静脈でこれらは肺の縦隔の側からまとまって出入りする。その場所は肺門。肺門のところ以外では肺の表面は胸膜に包まれる。胸膜は肺門の回りで折り返し、胸腔の内側全体を覆う。

 肺の形は胸腔の形にあわせて、上部が細く下部が太い。一番上がとがった肺尖、一番下は横隔膜に接してたいらになった横隔面。胸郭に接する外側は肋骨面。肺には右肺で2ヶ所、左肺で1ヶ所、深い切れこみがあり、それにより右肺で上葉中葉下葉、左肺では上葉と下葉に分かれる。切れこみは、右肺で斜裂水平裂、左肺は斜裂。

カテゴリー: 呼吸器系 | 胸部 | 器官

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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