静脈洞
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
静脈洞とは、静脈の一種で、ふつうの静脈よりも内側の空洞部分が拡張して太くなっている静脈につけられる名前。体の中で静脈洞と呼ばれる静脈は決まっている。
用語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 静脈洞 | じょうみゃくどう |
英語 | venous sinus | ヴィーナス・サイナス | |
ラテン語 | sinus venosus | スィヌス・ウェノースス |
洞(とう、どう) sinus(サイナス)とは、洞穴の意味で、内側が広い空洞や管などを指すときに使われる言葉。静脈の中で洞のようになっている場所を静脈洞という。
静脈洞の例 †
- 冠状静脈洞(かんじょうじょうみゃくどう)
- 心臓の壁に酸素を供給した血液が右心房に戻るときに通る血管で、冠状動脈とともに心臓を取り囲む冠状溝を通る。
- 硬膜静脈洞(こうまくじょうみゃくどう)
- 脳から血液が戻るときに通る血管で、脳の周囲の髄膜(脳脊髄膜)の硬膜の中を通るのでこう呼ばれる。硬膜の中のどこを通るかは決まっていて、場所により上矢状静脈洞、S状静脈洞、海綿静脈洞などの名前がつけられている。
- 強膜静脈洞(きょうまくじょうみゃくどう)
- 眼球内の液体=眼房水が、眼球から静脈内へ排出される血管で、眼球の強膜を通る。別名 シュレム管。