関節半月 のバックアップ(No.3)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 関節半月(かんせつはんげつ)とは、一般には半月板(はんげつばん)とも呼ばれる、関節をつくる2つのの間にある板状の軟骨膝関節だけにある。他の関節にある関節円板も同じような構造だが、関節円板は丸い円盤状で、2つの骨を完全にへだてるような軟骨なのに対し、関節半月は、「不完全な輪」または「三日月」のような形をしていて関節腔の周囲の部分だけにある軟骨なので、関節腔の中心部分では2つの骨が接触する。関節半月の役割は、関節円板と同じく、2つの骨の運動に合わせて関節半月が動くことにより、関節がより広い角度のときにも関節面が密着するので、運動がスムーズになり、骨に負担がかからない。一方、その分の力を関節半月が受けるので、強い力がかかると損傷しやすい。

 関節半月は、関節円板と同じく、線維軟骨という軟骨組織からできている。膝関節の関節半月は2つあり、内側にあるのが大腿骨内側顆脛骨の内側顆の間にある内側半月、外側にあるのが大腿骨の外側顆と脛骨の外側顆の間にある外側半月。内側半月はC字形をしていて、外側半月はO字形をしている。内側半月は内側側副靭帯に付着するため、自由に動ける範囲が狭いが、外側半月は外側側副靭帯には付着しない。

 一般に加齢によっておこる膝関節症は、この関節半月の線維軟骨の摩耗により生じるとされる。

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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