のど
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
のどとは、口の奥につながっている部分で、口から飲み込んだ食べ物が通るところ。一般名であり、解剖学的には咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)の2つの部分をあわせたもの、あるいはそのうちのどちらか一方を「のど」と呼ぶ。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 一般 | 咽、喉、咽喉 * | のど |
英語 | 単数 | throat | スロート |
* | 咽頭を指す場合には「咽」、喉頭を指す場合には「喉」、咽頭と喉頭をあわせて呼ぶ場合には「咽喉」などの漢字をあてて、それぞれ「のど」と読ませることがある |
咽頭と喉頭をまとめて「のど」として見てみると、のどの上の端は、鼻腔(=鼻の穴の空洞)とつながり、中ごろで口腔(=口の中)とつながり、下端では2つに分かれ、食道と、気管につながっている。つまり、飲み込んだ食べ物も通るし、肺に出入りする空気も通る交差点のような部分である。
このうち咽頭は、鼻腔と口腔の奥につながっている場所で、下端では食道→胃につながっている部分のこと。下部では咽頭の前方に気管→肺につながっている分岐があるが、分岐した先の気管側の部分が、喉頭である。喉頭は、その上端で咽頭につながり、下部では気管につながる。声を出す声帯は喉頭にある。
つまり、咽頭は、食べ物と空気が両方通るところで、喉頭は空気だけが通る。
飲み込んだ食べ物は、口から消化管(口腔 → 咽頭 → 食道)へとすすみ、空気は、鼻から気道(鼻腔 → 咽頭 → 喉頭 → 気管)へとすすむ。