食道
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
食道とは、消化器系に属する器官のひとつで、消化管の一部で、咽頭(のど)と胃の間をつないでいる部分。管状の部分で、筋肉でできた壁を持っている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 食道* | しょくどう |
ラテン語・英語 | esophagus** | (英語読み)イソファガス (ラテン語読み)エソファグス |
* 漢字変換で最初に出てくるのは「食堂」なので注意 ** これは米国式。英国式は oesophagus。発音は同じ |
食道の上端は首(頚部)のあたり、下端はおなかの中(腹腔)の上部にある胃にまでつながる25 cm 程度の長さの器官。途中に通る場所は、頚部では気管のすぐ後ろ、胸腔では左右の肺の間(=縦隔)で心臓の後ろをとおり、横隔膜の食道裂孔を通って腹腔に出る。
肺に空気を送るための通路(鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、気管、気管支)を全体としてまとめて「気道」と呼ぶのに対し、食べ物が通る通路の全体(口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸)のことは、消化管と呼び、「食道」とは言わない。
食道の生理的狭窄部 †
食道には、普段から細くなっている場所、あまり広がりにくい場所が3箇所ある。これらを食道の生理的狭窄部(せいりてききょうさくぶ)という。かたまり状のものを飲み込んだときには、それらの場所でつかえやすい。