口腔
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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口腔とは、口の中のこと。口の中の空間と、その空間のまわりの壁(歯や舌があるところなど)を指す。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 口腔 | こうくう* |
医学以外 | こうこう | ||
一般 | 口の中 | くちのなか | |
英語 | oral cavity | オーラル・キャヴィティ | |
ラテン語 | cavitas oris | カウィタス・オーリス | |
cavum oris | カウム・オーリス |
* 「腔」を「くう」と読む読み方は、医学の分野だけで行われる読み方で、辞書には載っていない。それ以外の分野では、「こうこう」と読む |
口腔の前側では、くちびる(口唇)を境に、体外へとつながり、後ろ側では、のど(咽頭)へとつながる。上あごの骨(上顎骨)と下あごの骨(下顎骨)の間の空間である。これらの骨に、歯が一列に生えており(歯列)、歯の位置を基準として、舌のある側の空間を真口腔、くちびるのある側の空間を口腔前庭という。口腔の天井に相当する上側の壁は、口蓋、床に相当する下側の壁は、口腔底という。左右の壁は、頬の肉でできている。
口腔は、食べ物が通る場所でもあり、口呼吸をするときには、空気が通る場所でもある。常に空気が通ることが前提のため、いつも穴が開きっぱなしの鼻の穴の中(鼻腔)と違い、あごを閉じると、口腔内のすきまは非常に狭くなる。