ウィルヒョー
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
ウィルヒョー、ウィルヒョウ、フィルヒョー、ヴィルヒョー Virchow は人名。日本語ではウィルヒョーまたはウィルヒョウという表記が最もよく使われる。ドイツ語での発音は、フィルヒョーが近い。英語読みすると、ヴィアコウまたはヴァーチョウ。
ルドルフ・ウィルヒョー †
ルドルフ・ウィルヒョー Rudorf Virchow または ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョー Rudorf Ludwig Karl Virchow は、19世紀のドイツの医師で病理学者。1821 - 1902年。ヨハネス・ミュラーの弟子の一人。ウィルヒョーの弟子には、ランゲルハンス島のパウル・ランゲルハンスがいる。
ウィルヒョーの法則とは、「すべての細胞は細胞からつくられる」というもの。ウィルヒョー結節(ウィルヒョーのリンパ節)とは、鎖骨上にあるリンパ節が、がん転移により大きくなって皮膚から触わってもわかるもの。
社会的に非常に成功した人で、後年、政治家にもなり、医学に関して大きな政治力を持った人。重要な研究をたくさんしている反面、自分の学説に合わない新しい主張をもつ人を排斥したり、後に間違いであることがわかった説を強い政治力を背景にして主張し続けたことなどが引き合いに出されて、現在では悪役のように扱われることがよくある人。
彼の学説で、既存のどの学術雑誌からも受け入れられなかったものがあったため、自分で新しい学術雑誌をつくってしまった。これは、後に Virchows Archiv ウィルヒョース・アルヒーフ(「ウィルヒョーの記録保管所」の意味)という名前になり、現在も刊行が続いている病理学の学術雑誌である。
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