レプチン
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
レプチンとは、全身の脂肪組織(白色脂肪)にある脂肪細胞から分泌されるホルモン。アミノ酸146コからなるポリペプチドのペプチドホルモンである。食欲を抑え、肥満にならないように働くホルモン。反対に、食欲を刺激するホルモンは、グレリン。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | レプチン | |
英語 | leptin | レプティン |
分泌されたレプチンが視床下部の満腹中枢などにあるレプチン受容体に結合すると、食欲を抑える働きがある。また、交感神経を活発にし、体温を上げ、運動を増やして、エネルギーを消費させる。脂肪細胞では、脂肪の蓄積量が増えると、レプチンの分泌量が増える。これらの働きにより、肥満を抑制する働きがある。
レプチンは1990年代に見つかった新しいホルモン。もともと、マウスで、ある遺伝子が壊れると病的な肥満になるということがわかり、その遺伝子は肥満遺伝子(ob遺伝子)と名付けられたが、のちに、その遺伝子がコードしている分泌タンパク質(レプチン)が肥満の抑制に重要な働きをしていることが突き止められた。
レプチンに似ている用語 †
- レクチン
- 糖に結合するタンパク質。植物に含まれているのを食べると毒になる場合がある
- レシチン
- リン脂質の一種。ホスファチジルコリンの別名。体のリン脂質の半分を占める