視床下部
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
視床下部とは、脳の部位の名前。間脳のもっとも腹側にあり、脳底(脳の下面)に面していて、下垂体にもくっついている。白質中にたくさんの小型の神経核が散らばっている場所。それらの神経核には、下垂体(前葉)の機能をコントロールするホルモンをつくっている神経核や、下垂体後葉ホルモンをつくっている神経核、自律神経の調節をしている神経核などがたくさんある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 視床下部 | ししょうかぶ |
英語・ラテン語 | hypothalamus* | (英語読み)ハイポサラマス (ラテン語読み)ヒポタラームス |
* | hypo は「下に」、thalamus が視床の意味 |
視床下部の場所 †
脳を下から見上げたとき(脳を腹側からみたとき)にみえる脳底には、左右の視神経がつくる視交叉、そのすぐ近くに下垂体、それらを囲むようにウィリスの動脈輪などがある。ちょうどその辺りの位置が間脳で、間脳のうち、脳底に接している部分が視床下部。
脳の断面でみると、間脳のなかで一番目だつ構造である視床を基準として、視床よりも下(腹側)にあるのでこう呼ばれる。視床下部のあたりには第3脳室があり、視床下部は第3脳室によってほぼ左右に分けられている。第3脳室の下端で左右の部分がつながっている。視床下部の一番腹側は一部で盛り上がって、細くなり下垂体後葉とつながっている。