坐骨
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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坐骨とは、恥骨、腸骨と融合して寛骨(骨盤の骨)をつくっている骨で、寛骨下部の後ろ半分を構成している。平べったい扁平骨である。いすに座って、いすとお尻の間に手のひらを挟んだときにお尻から出っ張って感じられる部分は坐骨の一部である(その部分を坐骨結節という)。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 坐骨 | ざこつ |
一般 | 座骨* | ざこつ | |
腰の骨 | こしのほね | ||
英語 | ischeal bone | イスキアル・ボウン | |
英語・ラテン語 | ischeum | (英語読み)イスキアム (ラテン語読み)イスケウム | |
ラテン語 | os ischeum | オス・イスケウム |
* | 解剖学では「座骨」とは書かない |
寛骨の上部をつくるのは腸骨で、下部をつくるのは前に恥骨と後ろに坐骨である。これらの3つの骨の境界部には、大腿骨と股関節をつくる寛骨臼がある。寛骨臼は3つの骨が合わさってできている。また、恥骨と坐骨の境界には閉鎖孔があり、閉鎖孔の前部は恥骨が、後部は坐骨がその壁を作っている。
坐骨にある構造には、他にも下部に坐骨結節というふくらんだ部分、後部に大坐骨切痕と小坐骨切痕という縁が弧のように窪んだ部分、大坐骨切痕と小坐骨切痕との間の区切りをつくる出っ張りである坐骨棘などがある。
坐骨結節は、大腿の後面の筋(ハムストリングス)が起こる場所。大坐骨切痕、小坐骨切痕は、仙骨との間の靭帯によって、それぞれ大坐骨孔と小坐骨孔をつくる。
坐骨は、生まれたときは独立した骨で、恥骨、腸骨との間は軟骨によって結合しているが、年齢と共に軟骨の骨化がすすみ、ひとつの寛骨になる。