腰骨

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 腰骨とは、または 腰の骨とは、「のあたりにある」のこと。一般名で、医学・解剖学用語ではないので、「こしぼね」とか「ようこつ」という名前の骨があるわけではない。のあたりの骨のうちの一部またはその全体を指す。

 具体的には、(1) 椎間板ヘルニアとか腰痛とかに関係する「腰骨」は、背骨のうち、腰の部分の骨のこと。(2) ベルトの高さにあって、体の外側から触れる「腰骨」は、骨盤の全体またはその一部の骨のこと。

目次
 

背骨のうち、腰の部分の骨のこと

詳細は腰椎の項目にあります

 「」を「ウエスト」の意味で使うときは、肋骨のあるところと骨盤のあるところの間の場所を指す。背骨(=脊柱)はからまで椎骨という骨が並んでできているが、腰の部分の椎骨を、腰椎という。つまり、腰骨とは腰椎のこと。第1~第5腰椎まで5個ある。

言語表記発音、読み方
日本語医学腰椎ようつい
一般腰骨こしぼね
腰の骨こしのほね
英語医学lumbar vertebraンバー・ヴァーテブラ
一般lower backboneロゥワー・ックボウン
ラテン語vertebra lumbalesウェルテブラ・ルンバレス

 脊柱を作っている椎骨は、場所によって、上から順に、頚椎胸椎腰椎仙骨尾骨という名前がついている。それぞれの骨には特徴があり、腰椎は、上半身の体の重さを支えながら、腰を曲げ伸ばしするときに大きな動きをするので、腰椎そのものや、腰椎同士の間をつなぐ軟骨(=椎間円板または椎間板)は、変な力の入れ方をすると損傷を受けやすい。

骨盤(またはそのうちの一部の骨)のこと

詳細は骨盤寛骨腸骨の項目にあります

 「腰骨(こしぼね)の高さ」というときの、体表から触れる腰骨とは、へそよりもちょっと下で、ベルトの高さにある。これは骨盤の上端にある腸骨稜という部分。骨盤は、わき腹腹側から背側にかけて触ることができる。つまり、骨盤またはその一部。

言語表記発音、読み方
日本語医学骨盤こつばん
一般腰骨こしぼね
腰の骨こしのほね
英語・ラテン語pelvisルヴィス

 骨盤とは1つの骨ではない。仙骨腰椎のすぐ下の背骨)の両側に寛骨がくっついたものを全体としてそう呼ぶ。寛骨は、平べったい大きな骨で、腸骨坐骨恥骨という3つの骨が融合してできている。ベルトの高さで外側から触れるのは、このうちの1つである腸骨で、その上の縁にある、腸骨稜というところは体の側面で触ることができる。腸骨稜の前端にある上前腸骨棘という少しとがった出っぱりがもっとも目立つ部分。つまり、寛骨あるいは腸骨、またはその一部分だけを指して「腰骨」と呼んでいる場合もある。

カテゴリー: 運動器系 | 骨格系 | | 脊柱 | 骨盤 | 腹部 | 解剖学用語でない

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。