精巣
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
精巣とは、男性の体幹(胴体)の下端、会陰部にある器官で、精子を作り出し、また、アンドロゲン(=男性ホルモン)を分泌する器官。睾丸とも呼ばれる。男性生殖器系に含まれる。俗称は金玉。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 精巣 | せいそう |
睾丸* | こうがん | ||
英語・ ラテン語 | 単数 | testis | (英語読み)テスティス (ラテン語読み)テスティス |
複数 | testes | (英語読み)テスティーズ (ラテン語読み)テステス | |
ラテン語 | orchis** | オルキス | |
didymis** | ディディミス | ||
ドイツ語 | Hoden | ホーデン |
* 睾丸は、哺乳類などの卵型をしている精巣の呼び名。医学の分野では、睾丸という言い方は使われなくなりつつあり、すべて精巣に言い換えられている ** ギリシャ語由来 |
精巣は陰茎の下に位置し、精巣のまわりの皮膚は、精巣を包むように袋状に垂れ下がっている。ここを陰嚢という。このため、精巣の温度は、体温よりも低い温度に保たれている。これは、精子は体温よりも低い温度でないと正常に作られないため。
精巣の中には精細管という細い管がびっしりつまっていて、精子はこの中でつくられる。精子は、精巣の隣にある精巣上体(=副睾丸)に送られ、ここで成熟する。
精巣でアンドロゲンを分泌する細胞はライディッヒ細胞で、精細管の間の狭いすきまにたくさん並んでいる。
精巣の構造 †
精巣の表面は白膜という厚い膜で包まれる。白膜は一ヶ所で厚くなり、精巣縦隔と呼ばれる。精巣縦隔の中には精巣網というスポンジ状の部分がある。