細線維
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
細線維とは、または、原線維、小線維とも呼ばれ、より大きく太い線維の構成要素となっている細い線維のこと。つまり、細線維(原線維、小線維)が集合してより太い線維をつくっている場合に使う。英語の fibril (ラテン語の fibrilla)の訳語として作られた言葉。神経線維(=軸索)の中にある神経原線維、筋線維(=筋細胞)の中にある筋原線維、コラーゲン線維をつくるコラーゲン細線維などで使う。
線維とは、または繊維とは、ごく細い糸状の構造を指して呼ぶ言い方。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 細線維、細繊維 * | さいせんい |
原線維、原繊維 * | げんせんい | ||
小線維、小繊維 * | しょうせんい | ||
英語 | fibril | フィブリル | |
ラテン語 | fibrilla | フィブリラ |
* | 線 維 と 繊 維、どちらの漢字も使うが、解剖学(医学)用語ではどちらかというと 線 の字を使うのが普通。異体字を参照 |
語源はラテン語で、ラテン語で線維を fibra (フィブラ、英語の fiber ファイバーに相当)といい、これを構成する一段階細くて小さい線維を fibrilla (フィブリラ、英語の fibril フィブリルに相当)と呼んだ。この -illa (英語の -il)は指小辞(ししょうじ)といって、ラテン語で、そのものが小さい、少ない、かわいい、などのときにつける接尾語。
細胞質にある細胞骨格をつくる線維の一種で、microfilament (マイクロフィラメント)の訳語として細線維を使う場合もあるが、こちらの用語としては、マイクロフィラメント(ミクロフィラメント)、微細線維、微細糸、微細細糸などのほうがよく使われる。