線維芽細胞
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
線維芽細胞とは、または、繊維芽細胞とは、結合組織をつくる重要な細胞で、結合組織の中にたくさんいる。コラーゲンなどの線維性蛋白質を合成し、細胞の周囲に分泌することで、自分のまわりを線維だらけにする細胞。
* | 「線維」と「繊維」はどちらを使ってもよい。「線維」を使う場合が多い。異体字を参照 |
** | fibro- は、fiber の接続形で、blast が 「~芽細胞(=~になりかけの途中の段階の細胞)」の意味 |
もともとは結合組織の線維の中にはまり込んでいて、線維をつくると考えられる小型の細胞のことを線維細胞と呼んだ。この細胞に形や性質が似ていて、もう少し大型で細胞分裂も盛んな細胞がたくさんいることがわかったが、この細胞を、これから線維細胞になっていく途中の、なりかけの細胞(=芽細胞)として、線維芽細胞と呼ぶようになった。しかし、その後、線維細胞と線維芽細胞は、同じ細胞で状態がちょっと違うだけであることがわかってきて、これらの細胞を区別せず、みな線維芽細胞と呼ぶのが普通になった。線維細胞を、「あまり活動が活発でない線維芽細胞」の意味で区別することもある。