胎盤 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
胎盤とは、妊娠中の子宮内に形成される母体の組織半分、胎児の組織半分からできている器官で、胎児を包み、母体と胎児との間の酸素や栄養のやり取りを行う場所。女性生殖器系に含められる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 胎盤 | たいばん |
英語 | platencta | プラセンタ |
胎児には母体の血液はそのまま流れ込むことはなく、混じり合わないようになっている(だから母体と胎児の血液型が違っても大丈夫)。そのかわり、母体の血液の酸素や栄養分を胎児に渡し、胎児血からはCO2や不要な物質を除去する仕組みが必要で、これが胎盤である。母体の内部で胎児が大きく育つ哺乳類(胎児が小さいうちに体外に出る有袋類や卵で産む単孔類以外)にはみな、胎盤がある(有胎盤類という)。
母体の血液が子宮壁の内部にたまる様になっている。ここを胎盤腔という。そこに、胎児の側から木の枝のように細長くたくさん枝分かれした構造が無数に飛び出している。これ全体を絨毛膜といい、1本1本の木の枝状の突起を絨毛(絨毛膜絨毛)という。胎児の血液は、へその緒(臍帯)をとおってここに運ばれ、絨毛膜絨毛の内部にある血管につながっている。絨毛膜絨毛の壁が、母体の血液と胎児の血液との間で物質交換が行われる場所である。