絨毛
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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絨毛とは、びっしりと並んで生えている小さな突起のこと。絨毛の「絨」は、じゅうたん(絨毯)の絨で、絨毯のようにケバだったものがびっしりとならんでいるときのケバケバのイメージ。医学関係以外の分野では、柔毛、柔突起などに言い換えられることもある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 絨毛 | じゅうもう |
一般 | 柔毛* | ||
柔突起* | じゅうとっき | ||
英語・ラテン語 | 単数 | villus** | (英語読み)ヴィラス (ラテン語読み)ウィルス |
複数 | villi** | (英語読み)ヴィライ (ラテン語読み)ウィリ |
* | 絨毛のことを、柔毛、柔突起などと呼ぶのは、 「絨」の字が難しいので、一般向きの文ではこれを避けて「柔」を使うことにすることがあるため。「絨」と「柔」は読み方が同じだが、意味が同じ漢字ではないので、異体字というわけではない |
** | 絨毛は常にたくさん並んで生えているので、ふつうは複数形を使う。単数形はあまり使わない |
人体の中では、小腸の内側の壁(粘膜の表面)にあるケバケバが腸絨毛(ちょうじゅうもう)、胎盤の絨毛膜(じゅうもうまく)にある絨毛膜絨毛(じゅうもうまくじゅうもう)が代表的だが、ただ「絨毛」とだけ言うときは、腸絨毛のことを指すことが多い。
微絨毛(びじゅうもう)は、絨毛とは全く別の構造で、もっとずっと小さい。細胞1個1個の表面にあるケバケバのこと。いろいろな細胞の表面の細胞膜にある。