臍 のバックアップ(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 (サイ)とは、またはへそとは、腹部前面の中央付近にある、胎児のときに体外にのびていた臍帯(さいたい:へその緒のこと)がとれたあとのくぼみ。

 「臍」の漢字は辞書では、「へそ」「セイ」としか読まないが、医学用語では「サイ」と読む(医学用語ではこれ以外の読み方をしない)。臍の俗字の「𦜝」を使うこともある(異体字を参照)。

 腹部のうち、臍があるあたりを臍部と呼ぶ。臍部は腹部を縦横3×3に分けたときの中央部である。

 胎児臍帯は、胎児の体と母体をつなぐ血管(2本の臍動脈と1本の臍静脈)が通る。生まれて臍帯がとれたあと、臍の裏にはこれらのなごりの構造が残っている。臍静脈だったものは肝円索といい、肝臓の下面につながる。臍動脈(2本)だったものは、臍動脈索といい、腹壁の内面を下に向かって、膀胱の両側のほうに進む。腹壁の内面で、臍動脈索が通るすじ状の盛り上がりを内側臍ヒダという。肝円索も臍動脈索も、生まれたあとは血管ではなく、ヒモ状の構造として残っている。

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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