十二指腸提筋 のバックアップ(No.3)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
十二指腸提筋とは、小腸の途中にあって小腸を背中側の壁(後腹壁)につなぎとめている靭帯のような構造。平滑筋線維も含まれているのでこう呼ばれる。十二指腸と空腸の境界にある。十二指腸提靭帯とも呼ばれる。また。また19世紀のチェコの病理学者トライツの名前をつけて、トライツ靭帯、トライツ筋ともいう。
| * 十二指腸提筋に対応 ** 十二指腸提靭帯に対応 *** トライツ靭帯に対応 † 19世紀のチェコ(当時ボヘミア王国、のちオーストリア=ハンガリー帝国)の病理・解剖学者 ヴァーツラフ・トライツ(Václav Treitz)のこと ‡ トライツ筋に対応 | |||
| 言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
|---|---|---|---|
| 日本語 | 医学 | 十二指腸提筋 | じゅうにしちょうていきん |
| 十二指腸提靭帯(十二指腸提靱帯) | じゅうにしちょうていじんたい | ||
| トライツ靭帯(トライツ靱帯) | トライツじんたい | ||
| トライツ筋 | トライツきん | ||
| 英語 | suspensory muscle of duodenum * | サスペンサリィ・マッスル・オブ・デュオデナム | |
| suspensory ligament of duodenum ** | サスペンサリィ・リガメント・オブ・デュオデナム | ||
| Treitz ligament ***,† | トゥライツ・リガメント | ||
| Treitz muscle ‡ | トゥライツ・マッスル | ||
| ラテン語 | musclulus suspensorius duodeni * | ムスクルス・ススペンソリウス・ドゥオデニ | |
| ligamentum suspensorium duodeni ** | リガメントゥム・ススペンソリウム・ドゥオデニ | ||
小腸は、十二指腸だけが後腹壁に固定されている後腹膜器官で、そのあとの空腸、回腸は後腹壁から離れる。トライツ靭帯は、十二指腸と空腸の境界で腸が前方に出てくる折れ曲がりの部位(十二指腸空腸曲)で十二指腸を後腹壁に固定している。


