角化重層扁平上皮
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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角化重層扁平上皮とは、重層扁平上皮のうち、一番表面に細胞が死んで硬くなった層が残っているタイプのこと。この層を角化層、角質層または角層という。この層があると特に乾燥に強く、また、構造的にも壊れにくくなるので、皮膚の表皮はこのタイプの上皮でできている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 角化重層扁平上皮 | かくかじゅうそうへんぺいじょうひ |
英語 | keratinized (keratinizing) stratified squamous epithelium | ケラティナイズド(ケラティナイズィング)・ストゥラティファイド・スクウェイマス・エピスィーリアム |
重層扁平上皮では、細胞が増殖して古くなった細胞が表面へと押し上げられていく。古い細胞が死ぬと、細胞内でつくられた大量のケラチンというタンパク質が残る。ケラチンは水や油に溶けにくく、分解されにくいタンパク質なのでこれが角化層をつくる。ちなみに、毛や爪、動物ではサイの角や魚やヘビの鱗などの主成分も、ケラチンである。
体の中の角化重層扁平上皮で、最も厚い角質層があるのは皮膚の表皮。表皮の角質層の厚さは皮膚の場所によって大きな違いがある。皮膚以外では、口唇や肛門など、皮膚とそれ以外の構造の移行部では弱く角質化している。また、食道の内側(粘膜)の上皮や、腟の粘膜の上皮などもごく弱く角質化している。