ゼラチン

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 ゼラチンとは、蛋白質コラーゲンが部分的に分解したペプチドの混合物のこと。皮膚軟骨など、コラーゲンを大量に含む組織を煮たりすると、コラーゲンが部分的に分解して、お湯に溶け出してくるのがこれ。元は同じ蛋白質なので、含んでいるアミノ酸は同じ。

言語表記発音、読み方
日本語一般ゼラチンゼラチン
英語gelatinジェラティン

 コラーゲンは生体内で細胞外基質を構成する主要な蛋白質で、コラーゲン線維などを作っている。コラーゲン蛋白質は水溶性ではないが、コラーゲンを大量に含む組織や器官を煮ると、含まれているコラーゲンのペプチドが変性し、ちぎれて遊離し、水中に溶け出してくる。温度を下げると、ゲル化する。「煮こごり」のできるもと。

  • ゼラチンは、むかしはゼリーをつくるのにゲル化剤として使われた。しかし、現在ゼリーとして売られている食品に使われているのは、大抵ゼリーではなく、寒天に近いゲル化剤(成分表では増粘多糖類と書いてある、ゼラチンよりも安上がりで、アレルギーの原因にもならない)。
  • 「コラーゲン含有」の化粧品に含まれているのは、大抵ゼラチン。元のコラーゲンは水に溶けないので、成分として使いにくい。

カテゴリー: 物質名 | タンパク質

 
 

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