心室中隔
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
心室中隔とは、心臓の2つの心室(右心室と左心室)の間を仕切る壁の部分のこと。心臓の他の部分と同じように、主に心筋層でできている。心室の壁の一部なので,非常に厚い。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 心室中隔 | しんしつちゅうかく |
英語 | interventricular septum | インターヴェントゥリキュラー・セプタム | |
ventricular septum | ヴェントゥリキュラー・セプタム | ||
略語 | IVS * | アイ・ヴィー・エス | |
ラテン語 | septum interventriculare | セプトゥム・インテルウェントゥリクラーレ |
* | interventricular septum の略 |
心臓を外から見たとき、左右の心室の間には、心臓の前の壁では前室間溝が、心臓の後ろ側の壁には後室間溝がある。心室中隔は、前室間溝と後室間溝とを内部でつなぐ場所にある。心室中隔は、ほとんどの部分は厚い心筋層でできている(心室中隔筋性部という)が、心房の近くの上端には筋のない心室中隔膜性部がある。
心室中隔には、房室束(ヒス束)も通っている。房室束は、特殊心筋線維でできていて、心室の筋を収縮させる電気的な興奮を、心房から心室へ伝える刺激伝導系である。房室束は、は心室中隔内で右脚、左脚の2つに分かれて右心室と左心室のプルキンエ線維へとつながる。