筋紡錘

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

神経筋紡錘でこの項目を参照しています

 筋紡錘とは、または、神経筋紡錘とは、骨格筋の内部にある感覚器で、そののその時の長さや、筋の長さの変化を感じる。この感覚は、筋覚と呼ばれ、深部感覚固有感覚自己受容性感覚)などと呼ばれるものの一種である。筋紡錘で感じとる情報は、感覚性神経を通して中枢神経系小脳大脳)に伝えられる。筋紡錘は紡錘形をしている。

言語表記発音、読み方
日本語医学筋紡錘きんぼうすい
神経筋紡錘しんけいきんぼうすい
英語muscle spindleッスル・スンドル
neuromuscular spindleニューロスキュラー・スンドル

 筋の中には、筋紡錘がいくつもある。ひとつの筋紡錘は、骨格筋線維が数本集まってできているが、この筋線維はふつうの筋線維よりも細くて短い特徴的な筋線維で、錘内筋線維(筋紡錘内筋線維)という。これがコラーゲン線維などの結合組織被膜で包まれて、周囲の(ふつうの)筋線維から分けられている。

 筋紡錘には、感覚性の神経線維と運動性の神経線維が来ている。感覚性の神経は筋覚(その筋の長さとその変化の情報)を中枢神経系に伝える。運動性の神経は、γ(ガンマ)運動ニューロンと呼ばれ、その役割は筋紡錘が正しい感覚を得られるように、筋の長さの変化にあわせて、錘内筋線維の長さを調節することである。

 錘内筋線維は、常に筋の長さにあわせてそれと同じ長さになるように調節されるだけなので、筋の出す力の足しにはならない。

カテゴリー: 運動器系 | 筋系 | 筋組織 | 感覚器 | 末梢神経系 | 神経系

 
 

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