骨格筋

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~

 骨格筋とは、の両端が骨格をつくる構造に接続され、体を支え、運動するときに働く筋のこと。つまり、ふつうにいう「筋肉」はみな骨格筋である。体にある筋には、骨格筋の他にも心筋平滑筋がある。このうち、骨格筋と心筋は、横紋筋であることが共通だが構造は異なっている。

言語表記発音、読み方
日本語医学骨格筋こっかくきん
英語skeletal muscleルタル・ッスル

 骨格筋をつくっている筋細胞は、筋になる過程で、たくさんの筋芽細胞細胞融合して、1個の筋細胞になる。その結果、骨格筋の筋細胞は非常に細長い細胞で、細胞の中には筋芽細胞だった核がたくさんある。細胞融合によってできた、がたくさんある細胞合胞体(シンシチウム)という。筋は、筋線維が集まってできているが、筋線維と筋細胞とは同じ意味である。

骨格筋線維の種類(赤筋と白筋、速筋と遅筋)

 赤筋白筋速筋遅筋などは、骨格筋をつくっている筋細胞(筋線維)の種類によって決まる。どの筋にも、赤筋白筋はまじっているがその割合が筋によって違っていて、筋ごとの特徴となっている。

 赤筋白筋は、筋肉の見た目の色が赤っぽいか、白(薄いピンク)っぽいかによる筋の分類で、これは筋線維に含まれているミオグロビンやミトコンドリアなどの量や、筋細胞の周囲に張り巡らされた毛細血管の量によって、それらが多いと赤筋、少ないと白筋となる。

 速筋遅筋は、動き出しの速い運動をおこなうか(速筋)、持続的にゆっくり行う運動が得意か(遅筋)による分類で、筋線維内に運動のエネルギー源となるグリコーゲンを大量に蓄積しているかどうかで、それが多いと速筋、少ないと遅筋である。

 大抵の場合、赤筋は遅筋で、白筋は速筋だが、グリコーゲンを蓄えていて、ミトコンドリアミオグロビンも多い、中間型の筋線維もある。

 赤筋(遅筋)では、筋線維の周りに毛細血管が多いとより多くの酸素が供給され続けるし、筋線維内にミオグロビンが多いとより多くの酸素を保持できる。また、ミトコンドリアはその酸素を使ってエネルギー(ATP)を作り出す代謝(酸化的リン酸化)が行われる場所。これらが多い赤筋では、酸素を使って(有酸素運動)、長時間の持続的な運動を続けるのが得意。ただし、すばやくエネルギーを供給して運動を行うのは苦手。

 白筋(速筋)では、酸素の供給や酸素を使ってエネルギーを取り出すのが苦手なかわりに、筋細胞内に大量のグリコーゲンが蓄積していて、酸素がなくともグリコーゲンを乳酸に変化させる(解糖系)ことで、運動のためのエネルギー(ATP)を作り出せる。エネルギーを一気につぎ込めるため、より速い力を出すのが得意。ただし、乳酸がたまって運動ができなくなるまでの短い時間の運動が得意。

カテゴリー: 運動器系 | 筋系 | 組織分類 | 筋組織

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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