糸球体

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 糸球体とは、または、より正確には"腎糸球体"とは、腎臓内部に無数にある、毛細血管が蛇行して球状になったかたまりのこと。ここで血液から尿の元(=原尿)が最初に作られる。1つの直径は 200 μm (=0.2 mm)前後なので、肉眼ではみえないぐらいの小ささ。これが腎臓内には100万個以上ある。

言語表記発音、読み方
日本語医学糸球体しきゅうたい
腎糸球体*じんしきゅうたい
英語・ラテン語単数glomerulus*,**(英語読み)グロメルラス
(ラテン語読み)グロメルルス
複数glomeruli(英語読み)グロメルライ
(ラテン語読み)グロメルリ
英語 kidney glomerulusキドゥニー・グロメルラス
renal glomerulusリーナル・グロメルラス
malpighian glomerulus***マルピーギアン・グロメルラス
形容glomerularグロメルラー
* 糸球 glomerulus とは、なにか糸状のものがグジャグジャッとからみ合って、全体として、球状のかたまりをつくっているものに対する呼び名。もともとは「糸球体」はそういうものをいろいろ指す言葉だったが、現在では 糸球体 glomerulus とだけいえば、自動的に腎臓の糸球体のことを指す
**糸球を表すラテン語 glomus の後ろに、小さいことを示す -lus がついた形
*** malpighian は、発見者であるイタリアの解剖学者 マルチェロ・マルピーギ Marcello Marpighi の、の意味

 糸球体はボーマン嚢という袋に入っていて、あわせて腎小体マルピーギ小体)という。腎小体には尿細管(=腎細管)がつながっていて、あわせてネフロン腎単位)と呼ぶ。糸球体の毛細血管をとおる血液から濾過された尿の元(原尿)は、糸球体の外側(=ボーマン嚢の内側)にたまり、ここにつながっている尿細管(近位尿細管)に流れていく。尿細管を流れていくうちに原尿の成分が調節され、濃縮されて尿になる。

  • 腎小体マルピーギ小体)、糸球体ボーマン嚢ボーマン腔尿管極血管極たこ足細胞足細胞)、足突起メサンギウム細胞

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