近位尿細管
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
近位尿細管とは、腎臓の尿細管のうち、腎小体と直接つながった部分のこと。腎小体で血液がろ過され原尿ができると、原尿が最初にとおるところ。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 近位尿細管 | きんいにょうさいかん |
英語 | proximal uriniferous tubule * | プロキシマル・ユーリニフェラス・テュービュール | |
proximal tubule * | プロキシマル・テュービュール |
* | uriniferous は、urine- 尿の、fero ~を運ぶ、の意味。腎臓についての話題であることが明らかな場合は uriniferous を省いて使われる |
近位とは、基準となる場所に近い場所を意味する言葉で、尿細管では原尿が作られる腎小体を基準としてその近くを指す。尿細管の反対側は集合管につながるが、集合管の近くが遠位尿細管、近位尿細管と遠位尿細管の間に中間尿細管がある。中間尿細管はヘンレループの細い部分である。
近位尿細管では、流れてきた原尿の半分以上が再吸収され、液量が半分以下になる。このとき、とくに糖やアミノ酸などはほとんど吸収される。
近位尿細管は、1層の上皮細胞層で囲まれている管で、この細胞には、再吸収の効率アップのため、内側に面した細胞膜に刷子縁と呼ばれる微絨毛がびっしり生えていて、細胞の表面積を増やしている。
近位尿細管は、2つの部分に分けられる。腎皮質の腎小体の近くで、くねくねと蛇行する部分が前半部で、近位曲尿細管と呼ばれる。後半部は、皮質から髄質にまっすぐ降りていく近位直尿細管である。近位直尿細管はヘンレループの最初の太い部分にあたる。