線条体
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
線条体とは、大脳の深部にある神経核(神経細胞体の集まり)= 大脳基底核に含まれる神経核のひとつ。おもに運動の無意識的な調節に関わり、いわゆる錐体外路系の中枢である。尾状核と被殻という2つの神経核からなり、これらを合わせて呼ぶ時の名前。線状体は間違い。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 線条体 | せんじょうたい |
英語 | striate body | ストゥライエイト・バディ | |
striatum | ストゥライエイタム | ||
ラテン語 | corpus striatum | コルプス・ストゥリアートゥム |
線条体は、見かけ上は尾状核と被殻という2つの神経核に分かれていて、その間は内包によって隔てられている。胎児において、線条体は、はじめは1つの神経核としてできるが、出生前後に大脳皮質と他の部位をつなぐ神経線維(投射線維)ができてくるときに、線条体を貫通してのびていくために、2つに分かれてしまう。内包は、線条体を2つに分ける神経線維の束でできている。
- 被殻は淡蒼球と並んでいて、被殻と淡蒼球を合わせて、レンズ核という言い方もする。
- 無意識の運動をうまく制御できなくなるハンチントン病では、線条体(特に尾状核)の神経細胞が働かなくなっている。
- 線条体には、大脳皮質や中脳の黒質から神経線維がのびてきている。線条体からのびる神経線維は、隣にある淡蒼球に届く。