錐体外路系
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
錐体外路系とは、または錐体外路運動系とは、脳と脊髄(中枢神経系)の内部で、全身の筋肉の運動の指令を伝える経路(伝導路)のうち、「錐体路以外のもの」をまとめて呼ぶ言い方。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 錐体外路系 | すいたいがいろけい |
錐体外路運動系 | すいたいがいろうんどうけい | ||
英語 | extrapyramidal system | エクストラ-ピラミダル・スィステム | |
extrapyramidal motor system | エクストラ-ピラミダル・モーター・スィステム |
神経の刺激によって骨格筋の運動が起こるとき、その情報は、まず中枢神経系を伝わって運動ニューロンに到達し、運動ニューロンの軸索が、中枢神経系を出て末梢神経を筋まで伝わる。運動ニューロンに運動の情報を伝える経路で、大脳皮質の運動中枢から直接伝わるのが錐体路で、それ以外はすべて錐体外路系ということになる。大脳基底核というグループの神経核や脳幹の多くの神経核が含まれるが、小脳なども運動に関わるので錐体外路系に含めることがある。
名前がつけられた当時は「錐体外路」という伝導路があるものと仮定して名前がつけられたが、その後、その経路は単純でなく、役割がそれぞれ異なるいくつかの経路を含んでいることがわかった。解剖学では、錐体外路系という言葉にはそれらをゆるくまとめる程度の意味しかなくなっている。