基質
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
基質とは、いくつかの言葉の訳語として使われている。日本語では同じ基質という言葉があてられているが、意味の違う別の言葉がいくつかある。
生物の構造をさすときの「基質」 †
マトリクスでこの項目を参照しています
解剖学や細胞生物学などで使う基質とは、ある場所、空間を埋めている物質のこと。英語のままの マトリクスと呼ばれることもある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 基質 | きしつ |
マトリクス | マトリクス | ||
マトリックス | マトリックス | ||
英語 | 単数 | matrix | メイトゥリクス、マトゥリクス |
複数 | matrices | メイトゥライスィズ、マトゥライスィズ | |
ground substance | グラウンド・サブスタンス |
構造上の「基質」の使用例 †
- 細胞外基質: たくさんの細胞からできている組織で、細胞と細胞の間を埋めている物質のこと
- 軟骨基質:軟骨をつくっている軟骨組織で、軟骨細胞が作り出した軟骨の本体に相当する硬い部分
- 骨基質:骨をつくっている骨組織で…(以下同じ)
酵素反応の「基質」 †
生化学などで使う基質とは、酵素と結合して、酵素反応の対象となる物質のこと。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 基質 | きしつ |
英語 | substrate | サブストレイト |
上の基質と紛らわしいときは、「酵素基質」というとよい。
たとえば、アミラーゼの基質はでんぷん、リボヌクレアーゼ(RNase)の基質はRNA(リボ核酸)などのように使う。
カテゴリー: 結合組織