動脈管 のバックアップ(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 動脈管とは、または、ボタロー管とは、通常は、生まれる前の胎児にだけある血管動脈)のひとつ。心臓の近くで、肺動脈大動脈をつなぐ短い血管で、血液は肺動脈から大動脈に向かって流れる。生まれたあとは動脈管には血液が通らなくなり、やがて内腔がなくなり、動脈管索、別名ボタロー靭帯と呼ばれる、短いヒモ状の結合組織になる。

 生まれる前の胎児にしかない血管がいくつかあるが、動脈管はそのうちのひとつ。右心室を出た肺動脈幹が左右の肺動脈に分かれるT字路の、突き当たりを直進するのが動脈管で、その先にある大動脈弓に合流して終わる。

 生後であれば、全身から大静脈を通って戻ってきた血液は、すべて肺動脈からに送られる。しかし、生まれる前は、呼吸をしていないため、肺に空気が入っておらず縮んでいるので、胎児の肺にはそんなに大量の血液は流れられないし、また、血液が肺を通っても酸素が補給されないので送る意味もない。そこで、肺に向かう肺動脈の途中に、肺を通らずに直接大動脈につながる動脈管があり、短絡路(ショートカット、近道)として働いている。

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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