肝小葉 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
肝小葉(かんしょうよう)とは、肝臓の内部にびっしりと並んでいる大きさが1~2mmの構成単位のこと。肝小葉の内部には肝細胞がたくさんの板状に並び、その間に太い毛細血管(類洞または洞様毛細血管)が通っている。
肝小葉は、肝臓の実質(肝臓の機能を担う肝細胞で作られている部分)をつくっている構造で、1つ1つの形は、短くなった鉛筆のような、断面が六角形の短い円柱(六角柱)の形をしている。大きさは直径と高さがそれぞれ大きくても2mmぐらいで、無数の肝小葉がピッタリくっついて並んでいる。それぞれの肝小葉のまわりには、グリソン鞘という薄い結合組織の層(小葉間結合組織)があるので、結合組織を染色すると肝臓の断面には六角形の網の目がみえる。
肝臓内で、肝細胞に血液を供給する血管(肝動脈、門脈の枝)は、肝小葉と肝小葉の間のグリソン鞘を通り、肝臓から出ていく静脈(肝静脈につながる血管)は、肝小葉の中心部分を通る(中心静脈)。これらをつなぐように、肝小葉の周囲から中心までをつないでいる太い毛細血管(肝類洞、洞様毛細血管)が放射状に通る。
肝小葉内の肝細胞は、この太い毛細血管(肝類洞、洞様毛細血管)と接するように、肝小葉のなかで放射状に並んでいる。