好酸性細胞

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 好酸性細胞とは、または酸好性細胞とは、「好酸性(酸好性)」の性質を持つ細胞の意味。好酸性とは、細胞を染色したとき、エオジンなどの酸性色素で(他の細胞よりも)よく染まる性質のことで、好酸性細胞の pH が酸性だったりアルカリ性だったりするわけではない。いくつかの器官で好酸性細胞と呼ばれる細胞があるが、みな別々の細胞。

言語表記発音、読み方
日本語医学好酸性細胞こうさんせいさいぼう
酸好性細胞さんこうせいさいぼう
英語acidophilic cellアスィドフィリック・セル
acidophil (cell)*スィドフィル(・セル)
oxyphil (cell)**クスィフィル(・セル)
eosinophil***イオスィノフィル
* 下垂体前葉の好酸性細胞はこう呼ぶことが多い
** 副甲状腺の好酸性細胞はこう呼ぶことが多い
*** 顆粒白血球の好酸球はこう呼ぶことが多い。または eosinolilic granulocyte

 組織細胞を診断などのために染色して観察するとき、細胞ごとの染色のされ方の違いで細胞が区別できる。酸性色素とは -COOH など H+ を遊離する官能基がある色素のことで、酸性色素には、ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)のエオジンアザン染色(AZAN染色)のアゾカーミンなどがある。エオジンで染まると細胞はピンクに、アゾカーミンで染まると赤くなる。塩基性色素でよく染まる細胞は好塩基性細胞という。

好酸性細胞の例

下垂体前葉の好酸性細胞
下垂体前葉で成長ホルモン分泌する細胞プロラクチンを分泌する細胞。下垂体前葉には、これ以外に好塩基性細胞、色素に染まらない色素嫌性細胞がある
副甲状腺上皮小体)の好酸性細胞
副甲状腺ホルモンを分泌する主細胞に混ざって、年をとると好酸性細胞が増えてくる。副甲状腺ホルモンを分泌しない細胞
白血球好酸球
細胞質に顆粒のたくさんある顆粒白血球(顆粒球)のうち、好酸性顆粒があるタイプのこと。顆粒白血球には、他に好中球好塩基球がある。

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