鼻腔 のバックアップ(No.4)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
鼻腔とは、鼻の穴の中の空洞のこと。顔にある鼻の穴(=外鼻孔)から始まり、いちばん奥はのどの上端(=咽頭上部)につながる。肺につながる気道の最初の部分で、呼吸器系に含めて考える。においを感じる場所があるので嗅覚の感覚器でもある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 鼻腔 | びくう* |
医学以外 | びこう | ||
一般 | 鼻の中 | はなのなか | |
英語 | nasal cavity | ネイザル・キャヴィティ | |
ラテン語 | cavitas nasi | カウィタス・ナーズィ | |
cavum nasi | カウム・ナーズイ |
* 「腔」を「くう」と読む読み方は、医学の分野だけで行われる読み方で、辞書には載っていない。それ以外の分野では、「びこう」と読む |
鼻腔は左右の幅が狭く、上下には長い空洞。中央(=正中)に薄い壁(鼻中隔)があり、左右の鼻腔は隔てられている。鼻腔の両外側の壁は3段の棚のように張り出していて上・中・下鼻甲介という。それぞれの下の空間が上・中・下鼻道という、空気の主な通り道である。それぞれの鼻甲介と鼻中隔はわずかなすき間を残すように近づいていて、空気が狭いところを通るうちに体温に近付き、湿気が与えられるようになっている。もっとも後部では左右の上・中・下鼻道が合わさり1つの空間になり、咽頭の上部へ続く後鼻孔となる。
鼻腔に面した表面は鼻粘膜という粘膜に覆われている。大部分の粘膜は多列線毛上皮である。鼻腔のもっとも上部ににおいを感じる場所(鼻粘膜嗅部)がある。