鼻粘膜嗅部
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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鼻粘膜嗅部とは、鼻腔(=鼻の穴の中)の表面を覆う粘膜(=鼻粘膜)のうち、においを感じる機能を持つ場所のこと。鼻粘膜の残りの部分、つまりにおいを感じない場所は鼻粘膜呼吸部と呼ばれる。鼻粘膜嗅部は、鼻腔の上部を占めており、それ以外の場所は呼吸部である。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 鼻粘膜嗅部 * | びねんまくきゅうぶ |
英語 | olfactory region of nasal mucosa | オルファクトリー・リージョン・オブ・ネイザル・ミュコウサ |
* | 「嗅」の字は、「臭い」(くさい)ではなく、「においを嗅ぐ」(かぐ) |
鼻腔の上部3分の1ほどが鼻粘膜嗅部である。鼻腔内にあるヒダ状の突起の上・中・下鼻甲介のうち、上鼻甲介とそれよりも上部が嗅部にあたる。ちなみに、鼻腔の天井に相当する場所のすぐ上には篩骨があり、篩骨の上は脳のある頭蓋腔である。
鼻粘膜嗅部の表面にある上皮は、においを感じる細胞(=嗅細胞)があるので、嗅上皮という。においを脳に伝える嗅神経(第1脳神経)はここからはじまる。嗅細胞は、においを感じる感覚細胞だが神経細胞でもあり、この細胞から伸びる軸索(神経線維)が嗅神経をつくり、脳(大脳の嗅球)につながる。