粗面小胞体 のバックアップ(No.6)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
rough ER、rER でこの項目を参照しています
粗面小胞体とは、細胞小器官のひとつで、小胞体(ER)のひとつ。小胞体は細胞質にたくさんあって、ひとつひとつがひらべったい袋状の構造をしている。このうち、電子顕微鏡でみるとその表面がつぶつぶして見えるのが、この粗面小胞体。小胞体表面のつぶつぶはリボソーム。リボソームがなく、表面がつるりとしているのが滑面小胞体。粗面小胞体は、細胞外に分泌される蛋白質などが合成される場所。
用語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 粗面小胞体 | そめんしょうほうたい |
英語 | rough-surfaced endoplasmic reticulum | ラフ・サーフェスト・エンドプラズミック・レティキュラム | |
granular endoplasmic reticulum | グラニュラー・エンドプラズミック・レティキュラム | ||
略語 | rER | アール・イー・アール | |
rough ER | ラフ・イー・アール |
リボソームではメッセンジャーRNA(mRNA)から新しい蛋白質(ペプチド)が翻訳されて作られるが、粗面小胞体のリボソームでつくられた蛋白質は、粗面小胞体の袋状の膜の内側に貯められたり、小胞体の膜に埋め込まれたりする。小胞体の内側に貯められた蛋白質は、最終的には細胞外に放出(分泌)され、小胞体の膜に埋め込まれた蛋白質は細胞膜などの他の膜に運ばれ、膜蛋白質になる。
粗面小胞体は電子顕微鏡でないと見えないが、ふつうの光学顕微鏡では粗面小胞体が多い場所は他と違う色に見える。たとえば、神経細胞のニッスル小体(ニッスル物質)は粗面小胞体が集まっている場所。また、腺細胞などでエルガストプラズマというのも同様。