体液 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
体液とは、からだの中のいろいろな場所にある液体(水分)をまとめてよぶ言い方。英語ではbody fluid。
体液は、大きく分けると細胞内液と細胞外液に分かれる。細胞内液は、すべての細胞の核や細胞質にある液体。細胞外液は、その液体がある場所によって違う名前でよばれる。血管の中を流れているのは血液(血漿、血清)で、リンパ管の中にあるのはリンパ液。管の中ではなく、細胞や線維のすき間にあるのは間質液または組織液という。
細胞外液のイオン組成は、その濃度は動物の種類によって違うが、海水に似ていて、ナトリウムイオンや塩化物イオンが多い(つまり、基本は食塩水)。これは、動物が海の中の原始的な生物だったときの性質のなごり。一方、細胞内液は、細胞外液に比べるとナトリウムイオンが少なくて、代わりにカリウムイオンが多い。細胞内外の濃度差はイオンポンプで維持されている。