骨盤隔膜
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
骨盤隔膜とは、骨盤の下側にあり、骨盤内と骨盤外を仕切るように広がっているいくつかの筋と腱、靱帯がつくっている膜のこと。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 骨盤隔膜 | こつばんかくまく |
英語 | pelvic diaphragm* | ペルヴィック・ダイアフラム | |
ラテン語 | diaphragma pelvis | ディアフラグマ・ペルウィス |
* diaphragm ダイアフラム は、「仕切りを作っている膜」=隔膜の意味(diaphragm だけで横隔膜の意味にもなる) |
骨盤は主に、左右の寛骨と仙骨とが輪をつくるようにつながってできていて、上下には骨がない。骨盤にあいた下側の穴を骨盤下口というが、ここに広がって、骨盤の下側の仕切りを作っているのが、骨盤隔膜である。骨盤隔膜の外側(下側)には、尿生殖隔膜というもう1層の筋層がある。ただし、尿生殖隔膜は、骨盤下口の前部にだけある。
骨盤隔膜を作っている筋群 †
骨盤隔膜を作っているのは、肛門挙筋と尾骨筋である。
- 肛門挙筋
- 肛門挙筋は、広く使われている呼び名で、腸骨尾骨筋、恥骨尾骨筋、恥骨直腸筋をまとめて呼ぶときの名前。
- 腸骨尾骨筋
- 恥骨尾骨筋
- 恥骨直腸筋
- 恥骨直腸筋の筋の一部は、肛門を直接取り巻くように走り、肛門を閉じる働きがあるので、その部分の筋を特に、外肛門括約筋と呼ぶ。
- 尾骨筋
- 肛門括約筋
- 肛門を取り巻くように走る筋で、肛門を閉じる働きがある。性質の違う2つの別々の筋、内肛門括約筋、外肛門括約筋がある。