小腸間膜

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 小腸間膜とは、小腸後腹壁(内臓のある腹腔の背中側の壁)につなぎとめている膜のこと。血管神経などが、この膜の中を通って小腸に出入りする。内臓脂肪が蓄積される場所でもある。小腸全体にあるわけではなく、小腸と後腹壁がくっついている十二指腸にはなく、空腸回腸にある。

言語表記発音、読み方
日本語医学小腸間膜*しょうちょうかんまく
一般腸間膜ちょうかんまく
英語mesentery of small intestineッセンテリー・オブ・スモール・インテスティン
ラテン語mesenterium dorsale communeメセンテリウム・ドルサーレ・コミュネ

 一般には、小腸間膜のことを、単に腸間膜ということがある。ただし、解剖学では、腸間膜という言葉は、もっと広い意味で、小腸間膜以外に胃間膜結腸間膜など、腹部の消化管に付いている膜をまとめて呼ぶのに使うことが多い。

 空腸回腸は後腹壁から離れていて、腹腔内にうねうねと蛇行しておさまっている。腸間膜があるのは空腸と回腸の部分である。腸間膜の表面は両面が腹膜におおわれている。後腹壁から腹膜が伸びて小腸を包み、再び後腹膜に戻るとき、小腸と後腹壁のあいだの2層の腹膜がくっついたもの、ともいえる。

 空腸と回腸をあわせるとその全長は数mになる。腸間膜はこの部分全体にあるので、小腸側では数mあるが、小腸から離れて後腹壁につながる部分では、扇子のカナメ(弧の中心)のように集まり、長さ15cmほどの部分で後腹壁とつながる。この場所を腸間膜根と呼ぶ。上端が十二指腸と空腸の境界部のあたりにある。

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