成長ホルモン

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

GHhGHソマトトロピンSTHでこの項目を参照しています

 成長ホルモンとは、または、ソマトトロピンとは、下垂体前葉から分泌されるホルモン下垂体前葉ホルモン)のひとつ。ペプチドホルモンで、ヒトではアミノ酸191コがつながった単純タンパク質。その働きはいろいろあり、を伸長させ、筋肉を増加させる他、肝臓から分泌されるインスリン様成長因子I(IGF-I)の量を増やす。その IGF-I が全身に様々な働きをもっている。

言語表記発音、読み方
日本語医学成長ホルモンせいちょうホルモン
ソマトトロピン
英語growth hormoneウス・ーモン
somatotropin*,
somatotrophin*
ソマトトゥピン,
ソマトトゥフィン
somatotropic hormone*,
somatotrophic hormone*
ソマトトゥピック・ーモン,
ソマトトゥフィック・ーモン
略語GH**ジー・エイチ
hGH**、HGH**エイチ・ジー・エイチ
STH***エス・ティー・エイチ
*somato は体、-tropic, -trophic は 刺激する、作用を及ぼす。 -tropin、-tropic は米国式、-trophin、-trophic は英国式
** GH, hGH は growth hormone の略。最初に h をつけて hGH(HGH)と略す場合は、最初の H は human の意味でヒト成長ホルモンのこと。ホルモンは動物種によって少しずつ違っていて、ヒトの体にはヒトの成長ホルモン以外にサルの成長ホルモンも効く。成長ホルモンを薬として注射する場合(体でつくられる成長ホルモンが足りないとき、低身長になってしまうのを防ぐ)に、効果がより大きいヒトの成長ホルモンであることを強調するために h をつけることがある。
*** STH は、somatotropic hormone の略。

 下垂体前葉では、ホルモンごとに分泌する細胞が異なるが、成長ホルモンを分泌する細胞は、成長ホルモン分泌細胞と呼ばれる。成長ホルモン分泌細胞は、小型の酸好性細胞で、下垂体前葉の細胞の3~5割を占める。

 成長ホルモンの分泌量の調節に、もっとも大きな影響を与えるのは、視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)とソマトスタチンで、成長ホルモン放出ホルモンがたくさん放出されると、成長ホルモン分泌が増加し、ソマトスタチンが増えると抑えられる。

 成長ホルモンのタンパク質のアミノ酸配列は、プロラクチンと似ていて、共通の祖先ホルモンから分かれて進化したと考えられている。

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