精嚢液

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 精嚢液(せいのうえき)とは、精嚢から分泌される液体のことで、前立腺液と合わされて精漿(=精液のうち、精子以外の液体部分)となる。精漿の容積の約7割は精嚢液、3割は前立腺液である。

 精嚢液は黄色がかった粘度の高いどろどろの液体で、果糖(フルクトース)を特にたくさん含んでいて、その他の糖類、アミノ酸類やアスコルビン酸なども豊富。果糖などは精子に取り込まれて、精子の尾部の鞭毛が動くときのエネルギー源として使われる(精子には糖類などを貯めておく細胞質がほぼないので、運動するには外部の栄養分が必要)。

 また、精嚢液はプロスタグランジンを多く含んでいる。プロスタグランジンは平滑筋を収縮させるはたらきがあり、射精のときに精液の通る管(射精管など)や女性生殖器内の平滑筋に作用するとされる。プロスタグランジンは最初に前立腺から単離されたので前立腺(prostate gland; プステイト・グンド)にちなんだ名前がついているが、前立腺液よりも精嚢液に多く含まれる。

 

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