精巣上体管
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
精巣上体管とは、精巣上体の大部分の中に詰まっている管。精巣上体管は直径100μm以下の細い1本の管で、精巣上体内に蛇行しながら入っている。まっすぐ伸ばすと数10cmになる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 精巣上体管 | せいそうじょうたいかん |
英語 | duct of epididymis | ダクト・オブ・エピディディミス | |
英語・ラテン語 | ductus epididymidis | (英語読み)ダクタス・エピディディミディス (ラテン語読み)ドゥクトゥス・エピディディミディス |
精巣の精細管でつくられた精子は、精巣上体の精巣上体管に運ばれる。精子は精巣輸出管を通って精巣から出て、まず精巣上体頭部の精巣上体管に入り、順に送られて頚部、体部を通過し、尾部に達する。この間に精子は成熟し、尾部の精巣上体管で蓄えられる。精巣上体管はこの後、精管につながり精巣上体を出る。
精巣上体管の構造 †
管の内腔は上皮で囲まれ、その外側に薄い平滑筋層がある。上皮は多列円柱上皮で、背の高い円柱形の主細胞が並んでいるところに外側の基底膜に沿って背の低い基底細胞が混ざる。主細胞の内腔に面した表面には不動毛と呼ばれる長い微絨毛が生えている。平滑筋層は輪走筋で、頭部から尾部にいくに従って層が厚くなる。精子はこの平滑筋の蠕動運動で運ばれる。