胚中心
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
胚中心とは、リンパ小節(リンパ濾胞)の中心部にできる球状の構造で、活発に抗体がつくられる場所。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 胚中心 | はいちゅうしん |
英語 | germinal center | ジャーミナル・センター |
リンパ小節は、様々なリンパ系の器官、例えばリンパ節、脾臓、扁桃、虫垂、パイエル板などに無数にある。Bリンパ球(B細胞)がびっしりと集まった塊。リンパ小節で抗体の産生が盛んになるときだけ、その中心部に大型の細胞(大リンパ球)が集まるエリアができる。これが胚中心である。その周囲は小さな細胞(小リンパ球)が詰まっているので、顕微鏡でみると胚中心が明るく、周囲が暗く見え区別できる。
胚中心と2次リンパ小節 †
2次リンパ小節(2次小節)または2次リンパ濾胞(2次濾胞)という用語を胚中心の意味で使うことがあるが、これは混乱の元なのでやめておくのが無難。なぜかというと下の1、2 の使い方があるから。
- リンパ小節内で、胚中心以外の常に存在する部分を1次リンパ小節(1次小節)、1次リンパ濾胞(1次濾胞)と呼び、働きが活発なときだけ現れる胚中心のことを、2次(リンパ)小節、2次(リンパ)濾胞と呼ぶことがある。
- 胚中心のない不活性なリンパ小節のことを1次(リンパ)小節、1次(リンパ)濾胞、胚中心のできたリンパ小節のことを2次(リンパ)小節、2次(リンパ)濾胞とよぶことがある。