バソプレシン のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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- 1 (2012-09-03 (月) 22:05:13)
- 2 (2012-09-03 (月) 22:05:13)
バソプレシン,,とは、またはバソプレッシン''とは、下垂体後葉から分泌されるホルモンの名前。アミノ酸9コからなるペプチドホルモン。水分をより多く体内に保持しようとするホルモンで、その作用についてつけられた名前は抗利尿ホルモン。抗利尿とは、利尿(尿をつくるのを促進する)を抑える、という意味で、腎臓で尿がつくられる途中で尿から水分を再吸収させて、尿を濃くし、つくられる尿量を減らすことで体液の量を減らさないように、血圧が下がらないようにする作用がある。もうひとつの作用は、バソプレシンの名前(血管を(vaso)締め付ける(press))に表れていて、全身の血管を収縮させて血圧を上げる作用がある。
バソプレシンはある神経細胞(バソプレシンニューロン)から分泌される。バソプレシンは下垂体後葉ホルモンだが、バソプレシンニューロンの細胞体がある場所は下垂体後葉ではなく視床下部で、その軸索が下垂体後葉まで伸びている。血液に分泌されるのは神経終末のある下垂体後葉からである。神経細胞から、シナプスへの神経伝達物質ではなく、血液中にホルモンなどが分泌されることを神経分泌という。同じく下垂体後葉から分泌されるオキシトシンも神経分泌である。視床下部でバソプレシンニューロンの細胞体がある場所は、室傍核や視索上核などの神経核である。
ヒトをはじめとする哺乳類の抗利尿ホルモンはバソプレシンだが、哺乳類以外の脊椎動物の抗利尿ホルモンはバソトシンという。同じ9コのアミノ酸からできているオリゴペプチドだが、3番目のアミノ酸の種類が違っている。