回内 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
回内とは、運動の種類(方向)で、前腕の運動と足関節の運動だけで使われる言い方。その名前のとおり、内側に回わす(回旋させる)向きだが、その運動での関節の使い方が特殊なので、通常の内旋とは区別される。反対向きの運動は回外。回内された状態のことを、回内位と呼ぶ。
前腕の回内 †
前腕では、肘を固定して手首を回転させる運動のうち、回転方向が右手で反時計回り、左手で時計回りの運動が回内。これは、(手を体の前に伸ばしているときに)手のひらを下に向ける運動(または、上肢を体の横で下に下げた状態で手のひらを体の後ろに向ける運動)に相当する。
前腕の回内は、前腕の2本の骨である橈骨と尺骨の位置のずれによって生まれる。手のひらを上に向けているとき、前腕は回外の位置にあるが、前腕の橈骨と尺骨は平行になっている。そこから手のひらを下に向ける(回内させる)運動で、親指側にある橈骨が、小指側の尺骨の上を内側に回り込む。その結果、回内の状態では、橈骨と尺骨は交差している。橈骨と尺骨の間のずれは、橈骨と尺骨の間の2箇所の関節(肘にある上橈尺関節、手首にある下橈尺関節)によって起こる。