篩骨 のバックアップ(No.2)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
篩骨(しこつ)とは、頭蓋骨のひとつ。頭蓋を外から見ても見えない奥のほうにある小さな骨で、おおよその場所は左右の目の間(眉間、みけん)の奥のほうに1個ある骨。眼窩、鼻腔、頭蓋腔に面している。篩骨の内部には篩骨洞という副鼻腔の小さな空洞がいくつもあるので、含気骨(穴の開いた骨)に分類される。
篩骨の下部は鼻腔(鼻の穴)の上部をつくるが、鼻腔の天井のほかに、内側では鼻中隔(のうち、骨でできた部分)をつくる。また、外側では上鼻甲介と中鼻甲介は篩骨がつくる。
左右の端は両側の眼窩に面していて、眼窩の内側壁を作る。
上面は頭蓋腔の前頭蓋窩に面し、大脳の嗅球がちょうど篩骨の上に位置する。第1脳神経の嗅神経は鼻腔から嗅球に向かうとき、篩骨にあいた数十個の穴に分かれて通る。篩骨の穴だらけの部分を篩板(しばん)という。篩骨の名前の由来は、小さな穴がたくさん開いた篩板が、篩(ふるい)のように見えるから。