含気骨
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
含気骨とは、骨の分類のひとつで、骨の内部に空気の入った空洞(含気腔)がある骨のこと。この場合の空洞とは、骨の本当の内部(=骨髄のある場所)のことではなく、骨の外側とつながっている穴のことを指す。つまり骨がそういう形に大きくくぼんでいる部分があるということ。代表的な含気骨には、篩骨、蝶形骨、側頭骨などがある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 含気骨 | がんきこつ |
英語 | pneumatic bone * | ニューマティック・ボウン | |
pneumatized bone * | ニューマタイズド・ボウン | ||
hollow bone | ハロー・ボウン | ||
ラテン語 | os pneumaticum * | オス・プネウマティクム |
* | pneumatic は「空気の入った」の意味、pneuma (ラテン語、プネウマ)は、空気、息の意味から(肉体に対する)精神、霊、(キリスト教の)聖霊、などの意味になった言葉 |
含気骨のうち、前頭骨、篩骨、上顎骨、蝶形骨は、どれも鼻腔を取り囲んでいる骨で、鼻腔とつながっている副鼻腔がこれらの骨に囲まれている。つまり、これらの含気骨の含気腔は副鼻腔である。前頭骨には前頭洞、篩骨には篩骨洞(篩骨蜂巣)、上顎骨には上顎洞、蝶形骨には蝶形骨洞がある。また、側頭骨には、中耳の空洞(鼓室)とつながる乳突蜂巣と乳突洞がある。蜂巣(ほうそう)とは、単一の大きな空洞でなく、ハチの巣のように、小さな穴がたくさん集まっている構造。