下大静脈
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
下大静脈とは、全身に酸素を供給した血液が心臓に戻るときに通る太い静脈2本のうちのひとつ。骨盤内ではじまり腹部を通って上方に進み、心臓の右心房につながる。下肢、骨盤部、腹部内臓などのすべてからの血液が集まる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 下大静脈 | かだいじょうみゃく |
英語 | inferior vena cava | インフェリアー・ヴィーナ・ケイヴァ | |
vena cava inferior | ウェーナ・カーウァ・インフェリオール |
右心房には、上大静脈もつながるが、こちらは頭頚部、上肢、体壁などの血液が集まる。
下大静脈につながる血管 †
- 総腸骨静脈:左右の総腸骨静脈が合わさって下大静脈がはじまる。それぞれの総腸骨静脈は下肢から戻る外腸骨静脈と、骨盤内や殿部から戻る内腸骨静脈が合わさってできる。
- 腎静脈:左右の腎臓から戻る短い1対の静脈。腎臓の高さで下大静脈に合流する。
- 肝静脈:肝臓の右葉、左葉から血液が戻る2本の静脈。下大静脈は肝臓に半分めり込むように通るので、肝静脈はごく短く、外側からは見えない。
- 副腎静脈、精巣静脈、卵巣静脈:これらの器官から戻る静脈は左右1対ある。下大静脈に直接合流する場合と、一旦、腎静脈に合流する場合がある。左右で違いがある。