横紋筋

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 横紋筋とは、筋組織のタイプのひとつで、筋組織を作っている筋細胞(=筋線維)の細胞質に、顕微鏡で見ると規則的な縞模様(→横紋)が見られることから、こう呼ばれる。骨格筋心筋は横紋筋である。

言語表記発音、読み方
日本語医学横紋筋おうもんきん
英語striated muscleストゥリイティッド・ッスル

 「横紋」の「横」とは何かというと、1つ1つの筋細胞(筋線維)は細長い形をしているので、長い方向を縦、それに対して直角の方向を横と考える。横紋筋の筋線維の細胞質には、横方向に走る規則的な縞模様がびっしり並んでいる。縞々の周期は約 2.5 µm で、顕微鏡でも、高倍率で観察しないと見えない。

 この縞模様は、筋細胞の中に、アクチンフィラメント(細いフィラメント)とミオシンフィラメント(太いフィラメント)が規則的に配列するために見える模様。アクチンフィラメントとミオシンフィラメントとは、筋を収縮させる原動力をつくっている蛋白質の複合体で、これらが組み合わさって引っ張り合うと筋線維が収縮する。

 横紋筋でない筋組織には、平滑筋がある。平滑筋では、これらのフィラメントがきちんと並んで配列しないので、縞模様は見えない。

カテゴリー: 組織分類 | 筋組織

 
 

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