水平断
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
水平断とは、体を水平方向に切る断面の取り方の向きのこと。この場合の水平方向とは、両足を揃えて立って直立した姿勢(=解剖学的正位)を基準にしているので、地面と平行な向きとは、体の横断のこと。水平断は、体を上下2つに分けるような断面の向きで、一般的なCT、MRIなどの断層画像の向きがこれ。水平断で得られる断面を、水平面(水平断面)という。軸位断(体軸断)という用語も同じ断面の向きを示す。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 水平断 | すいへいだん |
英語 | Horizontal section | ホリゾンタル・セクション |
水平断は、頭の端から足の先まで断面を取る位置を変えると、少しずつ違う高さの断面を無数につくることができる。
水平断は、体全体の断面、とくに頭部や体幹(=胴体)の断面を考えるときによく使う。取り出した臓器や、上肢、下肢などでは、その構造の長い向き(長軸)に直交する向きの断面=「横断」という言い方を使う。取り出した臓器に対して「水平断」を使うのは、脳(特に大脳や間脳)のとき。
ヒトでの水平断(水平方向に断面をとる)は、直立した姿勢で考えるので、上下にのびる背骨に対して垂直の方向の断面ができる。背骨の方向にのびる直線は体軸といい、体軸に垂直な方向に断面をとることは、軸位断(体軸断)という。しかし、四足動物では体軸は体の前後方向に伸びていて、軸位断は垂直方向に断面をとることになる。水平断と軸位断は90度異なる方向になる。
カテゴリー: 方向